2013/09/25
Bordwellによる、ナラティブ理論の類型
Bordwell, David(1985) "Narration in the Fiction Film" Madison, The University of Wisconsin Press
ボードウェル(Bordwell)は、アリストテレスの『詩学』に提示されたミメーシス、または模倣の概念
で提示された、あらゆる表現者は、その表現方法を用いて自身が描こうとする事象を模倣、再現することに
あるとし、文字による表現者である詩人は、ナレーションによって「世界」の事象を模倣するとした。
更にナレーションは2種類が存在するとし、一方はDiegetic、つまりは「語り」であり、ここには
文字と、口頭が含まれる。、他方はMimetic(つまりは表示)であり、そこには、ビジュアル、すなわち
動画像が含まれるであるとした。(p3)
ボードウェルはこの概念を踏まえた上で、これら詩人(広義によるストーリテラー)は前述のナラティブの
類型をあらゆる媒体を通して表現できると分析。映画におけるナラティブも同様に、それぞれの手法が
使われており、それらに対しての理論の蓄積も進んでいるとしている。(p3)
2013/09/19
Juulによるデジタルゲームにおける物語の特性
1.不完全な世界
ゲームの要素を物語として語りきることが出来ない
2.一貫性が欠如した世界(支離滅裂の世界)
アーケードゲームで、なぜプレイヤーは3機、与えられるのか?
ステージクリアした後の次のステージへの展開の意味が不明、
ただ、これらがないと、ゲームとして難易度に影響を与える可能性がある。
つまり、スタート時、3機与えられるのはナラティブというよりは、ルール
(p.123)
Juul, Jesper (2005) "Half Real" The MIT Press, Cambridge, Massachusetts,London, England
Jesper Juul によるデジタルゲームにおけるNarratology
Narrativeの定義
ナラトロジーは、アリストテレスに起源を有し、その後、戯曲、小説、そして映像研究へと
広がっているが、現在、ナラティブという概念はより広義で使われている。ナラティブを
「世界」を理解し構築するうえでの主要な方法として用いていることが一般的になっている状況を示すことが
出来る。この視点からすると科学的発見から国家のイデオロジー、個人個人の人生に対する理解などは
同じ手法を用いて理解される-ナラティブだ。(P15-16)
( narrative as the primary way in which we make sense of and the structure the world)
Juul, Jesper (2005) "Half Real" The MIT Press, Cambridge, Massachusetts,London, England
過去の文献に探るナラティブの定義(P156-157)
1.複数の事象の表象としてーこれがもともとに起源でこの語句の直接的な訳:ストーリテリング(物語)
Bordwell, David (1985) Narration in the Fiction Film. London: Routledge
Chatman, Seymour(1978) Story and Discourse: Narrative Structure in Fiction and Film Ithaca, NY
Cornell University Press
2.固定かず既に決定された事象のシーケンス(流れ)
Brooks, Peter(1984) Reading for the Plot. Cambridge, Mass
3.特定の類型に当てはまる事象のシーケンス(流れ)
Prince, Gerald.(1987)Dictionary of Narratology. London, Neb:University of Nebraska Press
4.特定のテーマを持つものー人間、または、擬人化された存在
Grodal, Torben Kragh(1997) Moving Pictures. A New Theory of Film Genres, Feelings and
Cognition. Oxford: Clarendon Press,1997
5.あらゆる種類の空想世界
Jenkins, Henry (2003) Transmedia Storytelling MIT Technology Review, January 15
6.世界を理解する方法
Schank, Roger C., and Robert P. Abelson.(1977) Scrpts, Plans, Goals and Understanding
Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum
上記、先行研究のうち、全てのゲームに当てはまりうると考えられる定義は7、その他は
状況に応じて当てはめられるとした(P158)
2013/09/08
「メディア・ミックスの歴史」1930年代
志村三代子(2013)『映画人・菊池寛』藤原書店、34頁。
菊池寛(1888-1948)の小説は、現在までに102作品が映画化されている。 特に1926年~1930年ま
での間に17作品が公開。作品の傾向は、オールスター・キャスト、看板監督で企画された。
人気も高く、映画ジャーナリスト界からは、「菊池モノ」と評価されるまでになった。
志村三代子(2013)『映画人・菊池寛』藤原書店、35頁。
映画界は日本映画界に女性観客を牽引するという意図とともに「菊池モノ」を制作。
当時の市場は、時代劇そのものが主流。現代モノは苦戦を強いられていた。
同時に現代モノは、新派悲劇が主流。だが、マンネリ化も脱ぐえず、新たな
突破口が必要だった。ここに、当時、菊池が執筆した通俗小説『真珠夫人』が大ブレイク。
物語的にも従来の新派悲劇とは全く違ったモダンガールの概念を取り込んだ、同作の映画化
を進めた。大成功を収める。つまり、菊池の『真珠夫人』は女性を主人公としたメロドラマの
先駆け的作品になったのだ。
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