2008/09/16

場とは日本独自の概念

 「場」とは、外国語に訳すのがとても難しい概念です。例えば、英辞郎や、Gooの和英辞典などを 見ると「場」の訳語として a place、a spot, a scene. field といった言葉が使われていますが、日本で一般的に使われる「場」は、前述の訳以外にも様々な使い方があります。ただ、その概念を外国の人たちに説明するのが非常に難しいのです。

これは、日本社会が高文脈文化的特徴をもつ社会(High Context Society)であることと関係しています。高文脈文化とは、長期にわたり独自な価値観が蓄積されたため、多くの規範やルールが明文化されず、暗黙知として継承される文化を示します(Hall,1976)。インターネットを中心とした情報革命により個人の価値観が重視され、あたかも高文脈文化的特徴が日本社会から失われているように感じられるかもしれませんがそれは違います。

 KYー「空気読めない」という言葉が流行語になり、若年層を中心に使われている事実が、高文脈文化的特徴が日本ではいまでも健在だということを如実に表しています。この「空気」という言葉も「場」、とともによく使われますが、この概念も欧米では、理解されにくいです。多数の民族や文化が入り乱れ、さまざまな価値観が組織や社会で交錯する中では空気などを読む余裕も時間もないのです。「空気を読めっ」と抗議するやいなや、「だったら、あなたの要求をハッキリと伝えてくれ!」と叱られることでしょう。これは逆ギレなどではなく、まっとうな主張であると認識するのが、欧米での常識と言えます。
 
 では、場とは何を意味しているのでしょうか?筆者はある場所において、そこで活動している人々の規範や価値観、考え方などが複雑に絡み合って形成されるひとつの磁場のような存在だと考えます。更につきつめていくと、この場所は、必ずしも物理的空間のみである必要はありません。仮想空間でも十分、場を形成することが可能なのです。つまり、場はヒトとヒトとのつながりから誕生し、そこから、独特の価値観やシンボル、メタファーとして発展していくとも言えるのです。



 

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